こんにちは!私たち「えびな・ざまエールの会」は、海老名市・座間市を中心に、発達凹凸さん、学校苦手さん、ホームスクーラー(不登校)さん、繊細さんなど、多種多様なカラフルキッズの保護者が笑顔になれるように、茶話会やランチ会などでの交流や非公開型のSNSを使って情報交換などの活動を行っています(^^)
普段の茶話会ではざっくばらんに悩みや雑談などを話していますが、ここではテーマを決めて座談会形式でお話した内容をお届けします!
第4回目のテーマは、
【子どもが発達凸凹かも!?~父親の気持ち~】です!
*** 本日の参加者とお子さんのご紹介 ***
「早川さん」
「伊達さん」
「長田さん」
今回は、初の父親座談会です!発達凸凹があるお子さんをもつお父さん方に、発達の遅れを知った時、それをどう受け入れたのか、そしてお子さんの将来についてなどなど、じっくりお話ししていただきました!
それでは【子どもが発達凸凹かも!?~父親の気持ち~】スタートです!!
うちの子、もしかして成長が遅いのかな?
司会 お子さんの発達が遅れているかもと気づいたのは、いつですか?その時どのような気持ちでしたか?
早川さん 小学校低学年の時に受けた、病院の検査結果を知った時だと思います。「なんで自分の子どもが…」と信じられませんでした。妻が育児に苦労していることは聞いていましたが、発達障がいとは思っていなくて、「ちょっと癇癪が強いな」くらいに考えていました。検査の段階では診断はつかず、いわゆるグレーゾーンという感じだったので、ちょっと苦手なことがあるだけ、成長するにつれ落ち着いていくのではないかと考えていました。
伊達さん 極低出生体重児(超低出生体重児《*1》との境界ラインの出生体重)で生まれ、大学病院のNICUに数ヶ月入院していたこともあり、出生直後から発達経過についてはとても心配していました。NICU退院後は、幸いにも健康面では大きな問題はなくて、大学病院の先生やスタッフの方々からは「発達の伸びしろをチェックしていてください」とアドバイスいただいたものの、兄弟の発達経過(つかまり立ち始めの時期、歩き始めの時期など)と比べると、発達がゆっくりなことが気になって、どうにかサポートする術はないかと自分で社会資源を模索することにしました。
低出生体重児 出生体重が2,500g未満
極低出生体重児 出生体重が1,500g未満
超低出生体重児 出生体重が1,000g未満
長田さん 初めて知ったのは息子が小学1年生の時です。担任の先生に、離席や整列時に並べないことが多く、傾向があるかもと言われました。けれど、その時は「子どもなんてそんなものだろう」と、気にしていませんでした。妻はとても気にしていて、小学2年生の時に専門医に受診することになり、自閉症スペクトラム・ADHDの診断を受けました。以前から、遊具で順番を守ることができなかったり、トランプで負けると癇癪を起したり、ルールのある遊びができませんでした。変わっているなと思っていましたが、それが障がいとは思いませんでした。診断を受けた時は特に大きなショックは受けませんでした。落ち着きがない、切り替えが苦手、強いこだわりなどの特性は、自分も子供の頃にも持っていた性質だったので、自分と同じように成長するにつれ、困りごとはなくなっていくんだろうなと思っていました。
子どもと向き合う中で…。
変わるのは子どもではなく自分だと思った
司会 発達の遅れがあると、心配事や大変なことも多いと思います。どのように受け入れて過ごしてますか?
早川さん 先ほど話したように、最初の検査の段階では「ちょっと特性がある」程度に考えていたので、“受け入れる”という感じではなかったです。その後、数年して登校渋りから不登校になり、家で過ごすようになってから、ゲームにのめり込んで、昼夜逆転になってしまいました。感情のコントロールが難しい特性から、より癇癪やパニックを起こしやすくなって、特にゲームに負けたり、自分の思うようにいかない場面での癇癪がひどくなりました。それまでも児童精神科でのセラピーに通ったり、放課後等デイサービス(療育)《*2》に通ったりしていましたが、効果が少なく、結局本人も含めて家族で相談し、思春期病棟に入院することになりました。
子供が必死にもがき苦しんでいる姿を見てなんとかできないかと思い、本を読んで勉強したり、YouTubeで本田秀夫先生《*3》の講演を聞いたりして、発達障がいのことを知り、ようやく受け入れることができました。
*3 本田先生:精神科医。信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授。附属病院こどものこころ診療部長。 発達障がいの早期発見、早期介入から成人期の支援まで、あらゆるライフステージにわたる臨床経験をもつ発達障がいの専門家。著書多数。
伊達さん NICU退院児の会で情報交換した他の子どもたちの発達状況や、低出生体重児の発達に関する資料を調べるたびに「自分の子どもの発達は大丈夫だろうか?」と心配しつづけていました。むしろ、今でも心配しつづけています。状況を受け入れたというよりは「少しでもどうにかしなければ」という思いが先行していて、その気持ちは今でも変わっていないと思います。これからも、少しでも発達や成長につなげられるものがあれば、どんどん積極的に取り入れたいと考えています。
長田さん はじめは障がいに対して間違った認識をしていました。受け入れると言うより、教育による指導によって矯正していくものと思っていました。自分の子供時代に、両親からそのような教育を受けてきたせいだと思います。そのため、厳しく接することも度々あり、妻とそのことについて衝突することもありました。
その認識が変化したのは、ある出来事で厳しく叱った時でした。激しいパニック状態になり、怯えている子供を見て「言うことを聞かない」のではなく「聞けない」「分からない」のかもしれない、と。「わがまま」ではなく「特性」であると認識した時、初めて矯正される必要があるのは子どもではなく、自分であると気づきました。
子どもを認めて見守っていく。
それは、子どもも自分も成長中!!!
司会 お子さんへの理解が進んで、ご自分の変化はありましたか?
早川さん 接し方は変わりました。怒鳴ったりすることは逆効果なので、普通に話すようになったことが大きいです。でも正直、子どもの行動をみているとイライラしてしまうことも多く、抑えるのが大変です。あとは「褒めるよりも認める」方が良いと聞き、「すごいね!」ではなく「お、今日は早く起きたんだね」とか「フリースクールに行かれてよかったね。」というように声をかけるようにしています。妻からは「細かいことは言わないで!」と毎回言われますが、ついつい言いたくなってしまいますね(苦笑)
伊達さん 成長や発達のことについては常に心配しながら、今までと変わらず見守りつづけている状況です。少しでも成長や発達につながるものはないかと、療育(個別療育•グループ療育•ことばの教室など)や習い事(水泳•体操•学習教室など)に時間のある限り積極的に通っています。療育には2歳から通っていますが、おかげさまで同年代の子と体格や発達が追いついてきました。しかしながら、昨日の自分より今日の自分、今日の自分より明日の自分を目指す思いで、よりよい自分になれるよう様々な社会資源にどんどん触れ合う機会を設けています。
長田さん 特性によりできないことや、時間を要することについて、怒ったり厳しく言わないよう努めています。生活習慣などが身に付きにくい子なので、毎日促す必要があるのですが、本人の切り替えしやすいタイミングまで待ち、子どもが受け入れ易い形で誘導するようにしています。 そうは言っても、特に今は思春期に入っているので、より切り替えができなくてイライラしますね(笑)。でも強く言うと、余計に時間がかかるので。自分も苦手な忍耐に、苦労しています。
子どもの将来
親の願い
司会 お子さんの将来についてのお考えを、聞かせてください。
早川さん 今までいろいろありましたが、退院後はゲームをする時間を減らし、自分でゲームをやめるタイミングがわかるようになったりと、とても成長しました。病院・放課後デイ・フリースクール・塾などで、支援してくれている先生方のおかげだと感謝しています。
4月からは通信制の高校への進学も決まり、ホッとしています。得意なことや好きなことが沢山あるので、将来は自分のやりたいこと、得意なことで生きていかれればいいと思っています。そのために親の自分ができるサポートをしていきたいと思っています。
長田さん 自分をコントロールする力を身につけてほしいですね。そして自分にとっての幸せを見つけてくれたらという、漠然としたイメージしかないです。同年代の子と同じように成長しないことも多いですが、今までも息子なりに成長して、できることはたくさん増えているので、マイペースな息子の成長に寄り添い、手助けしていければと思っています。
伊達さん 今は、弱いところや苦手なところを少しでも克服できるように療育や学習教室などで重点的に取り組んでいます。将来的には、小学校入学までに集団生活や学習活動が自力でできることを目指して、日々の生活訓練に取り組んでいます。学校生活では、教室で先生の話を聞いて勉強ができ、友だちとも仲良く交流できる元気で明るい子に育っていって欲しいと考えています。また、今に至るまでの過程でお世話になったNICU退院児の会には、感謝の思いを常に持ち続けながら、今後も子どもの成長や発達に少しでもつなげられるような情報交換を行っていきたいです。
厚生労働省の資料によると、低出生体重児の割合は約10%まで増えているものの、低出生体重児•NICU退院児のフォローアップの場や父母交流の場が少ないのが現状です。育児や発達の過程で「どうしたらいいのだろう?」と心配することや不安になることも少なくないと思います。最近では、日本NICU家族会機構(JOIN)など様々な社会資源が整備されてきました。神奈川県では、2021年に発足したばかりであるものの、SNSやオンライン交流会で積極的に活動し、リトルベビーハンドブック(低出生体重児と保護者のための手帳)を作成すべく精力的に活動されているNICU退院児の会もあります。
お互いに支え合い、少しでもよりよい方向に一緒に歩んでいくような行動を今後もしていきたいと考えています。
司会 親の会は、同じようなお子さんの話を聞けたり、悩みを吐き出せたり、そして情報を得られることも大きなメリットですね!今回も貴重なお話をありがとうございました!
第4回座談会は、これで終わりにしたいと思います。
この座談会が、子育て中のみなさんの参考になれば幸いです。
※ 各施設での支援や取り組みにつきましては、その施設やお子さん、個々の状況により対応が変わってくる場合があります。あくまでも経験談として参考になさってください。
「えびな・ざまエールの会」では、このようにざっくばらんに茶話会でお話ししたり、非公開型SNSの「band」というアプリを使って、情報提供や質問・雑談なども行っています。
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